会社の負債って借金のこと?貸借対照表の見方(3)

こんにちは!ポポです。

今回は貸借対照表の中に記載されている三大要素、資産・負債・純資産のなかの「負債」について詳しく解説していきたいと思います!(貸借対照表の記事はこちら!)

負債は会社の借金のことです。借金と聞くと色々悪いイメージがあるかもしれません。しかし、どんな会社でも負債なしに経営できるものではありません。今回の記事で正しい負債の見方を身につけて、実際の業務や投資活動に活かしていきましょう!

それではいきなりですが、具体的な決算書を見ていきましょう!

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シャープ株式会社HPより

こちらに示しましたのは、2016年に台湾のホンハイ精密工業によって買収された電機メーカー、シャープの貸借対照表です。会社のHPのIR情報というところから簡単に確認することができますし、EDINETというWEBサイトでも閲覧することができます。

負債の種類

負債は大きく分けると「流動負債」と「固定負債」があります。

「流動負債」と「固定負債」の違いは短期的に返済しなければならないか、長期的に返済しなければならないかという違いです。具体的には1年以内に返済しなければならないかということで分類されます。

それではこの2種類の負債についてもっと深く見ていきましょう。

流動負債

流動負債とは、1年以内に支払期限がやってくる負債のことです。商品代金の支払いなどはすべて流動負債に含まれます。また、銀行からの借り入れも返済期限が1年以内の短期借入なら流動負債に計上されます。

仕入れ債務

仕入れ債務とは、買掛金や支払手形など、商品やサービスを買ったときに後で支払うという約束のお金です。流動負債の中で多くを占めるのがこの仕入れ債務です。

私たちの日常でもクレジットカードでお買い物したときは即引き落としにはならず月末に請求が来ますよね。それと似た考え方をすれば、仕入れ債務が多くてもそれを買うお金があるつもりで購入しているものなのです。

短期借入金

次にわかりやすいのは銀行などの金融機関に対する借金である、短期借入金です。ただし、返済期限が1年以内のものをここでは流動資産と計上されます。

商売の世界では商品を買ってあとで2~3か月してから入金されるのが普通です。ですのでこの短期借入金はその現金が入るまでのつなぎ資金などに用いられる融資です。

引当金

流動負債の欄の中には引当金(ひきあてきん)と記載されているものがあります。これは将来の支出に備えるために、あらかじめ計算して用意しておくためのものです。

引当金に計上された金額は、将来、支払いが行われてお金が出て行ってしまうので負債として計上しておきます。

有利子負債

有利子負債は決算書の項目として直接出てくるものではないのですが、会社の利益を左右する大事なものです。利子がある、と聞くと皆さんに分かりやすいのは銀行やアコムなどの金融機関からの借り入れですよね。

利子とは、借りたお金を返す時に借入金額の何%という計算で上乗せして払うお金ですので、有利子負債の金額が多ければ多いほど出ていくお金も多くなります。つまり、有利子負債の多い会社は利益が生じにくくなってしまっているため、ここに注目することは非常に大切なのです。

固定負債

固定負債とは、1年を超えて返済することのできる負債です。皆さんの身近な例で行くと35年の住宅ローンや携帯料金の24か月分割払いなどがこれに当てはまります。

ゆっくり払うことができるので固定負債が多いといっても月にどれくらい出ていくかにより注目したほうがいいでしょう。また、相手からゆっくり返してもいいよと言われることは逆に考えると信用の表れともいえます。

長期借入金・社債

長期借入金は金融機関からの長期的な借金のことで、社債は投資家からお金を借り入れることです。社債というのは会社があらかじめ返済期限を設けて発行する債券です。通常は返済期限は1年以上ですので固定負債に含まれます。

引当金

流動資産にも引当金に計上されるものがあります。それは退職給付引当金です。これは従業員が退職した時に支払う退職一時金や退職年金のために会社が備えておくためのものです。退職金は20年30年にわたって積み立てたものを支払うため、支払いが1年超の固定負債に計上されることになります。

最後に

いかがでしょうか?負債に関しては悪いイメージしかなかったかもしれませんが、たとえば固定負債は多くても悪いことではない、ということが分かったと思います。

これからも会計についてもっと勉強してよい投資家になりましょう!

以上です。