会社の資産とは?貸借対照表の見方(1)

こんにちは!ポポです!

今回は貸借対照表の中に記載されている「資産」について詳しく見ていきましょう!(貸借対照表の記事はこちら!)

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シャープ株式会社HPより

こちらに示しましたのは、2016年に台湾のホンハイ精密工業によって買収された電機メーカー、シャープの貸借対照表です。会社のHPのIR情報というところから簡単に確認することができますし、EDINETというWEBサイトでも閲覧することができます。

資産の種類

資産は大きく分けると「流動資産」と「固定資産」があります。

流動資産」と「固定資産」の違いは一年以内に現金化できるかどうか、という違いです。たとえば、現金そのものや銀行に預けているお金は流動資産に当てはまりますし、土地や建物は簡単に現金化しないので固定資産になります。

それではこの二つについてもっと深く見てみましょう。

流動資産

流動資産現金そのものや一年以内に現金化できる資産です。流動資産の内訳は、実際の貸借対照表ではたくさんの項目がありますが、現金化のしやすさの順番で、大きくは3種類に分けることができます。「当座資産」「棚卸(たなおろし)資産」「その他の資産」の3つです。

当座資産

当座資産は現金にもっとも近い資産です。イメージがつきやすい銀行預金や、商品を掛けで売った時にお金を受け取る約束である売掛金、お金を儲けるための理由で株などを購入した時の有価証券がこれに当たります。もちろん現金もこれに含まれます。

当座資産は会社がいますぐ使えるお金の額を表していますので、会社の当面の支払い能力を示すことになります。

当座資産が豊富にあれば、経営者もお金をどうしようかと心配する必要もないですし、取引先の側もお金が必ず払われるという安心をもってその会社と取り引きできます。

棚卸資産

棚卸は「たなおろし」と読みます。棚卸は具体的には「在庫管理」のことを指します。つまり、棚卸資産商品や製品の在庫の金額のことです。

棚卸資産は在庫のほかにも、つくりかけの製品や製品を作るための原材料のたくわえも計算された金額を含みます。

棚卸資産は多ければ多いほどいいのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。在庫を多く抱えてしまっていて全然売れないときは棚卸資産の金額が増えますよね。こうなると商売もうまくいっていませんし、在庫の管理費も余分にかかってきてしまいます。

また、棚卸資産が少ないとどうなるでしょうか。こちらは在庫が少なくて品切れを起こしてしまう可能性があります。品切れを起こしてしまうと、せっかくのお客さんがほかの競争店に流れてしまいます。

棚卸資産は多すぎても、少なすぎてもいけません。適正な水準を保つことが最も重要なのです。

そのほかの資産

そのほかの資産には、「短期貸付金」「前払金」「前払費用」「未収金」などがあります。これらは用途こそ違っても実際上の意味としては今は現金や商品として払っているが、一年以内に返ってくるお金を意味しています。

固定資産

固定資産自社で長期で使う目的で購入した資産です。転売を目的として購入したものではないことに注意しましょう。この固定資産も大きく分けると3種類に分類できます。「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」です。

有形固定資産

形があって長期間使用する資産のことを有形固定資産といいます。たとえば、土地や建物、パソコンやプリンターなどの備品や移動用の車両なんかもこれに含まれます。

しかし、貸借対照表の有形固定資産の欄をよく見てみると減価滅却としてあとでマイナス(△)されていますよね。これはどういうことかというと、かたちあるものは使用していると価値が下がっていくということです。最近でいうとメルカリでの中古の服とか携帯とかがイメージしやすいですよね。

有形固定資産にはこうした、毎年の価値の減少分が減価滅却として記載されているのです。この減価滅却費は損益計算書にも記載されています。

ただし、土地は使用することによって価値が減少するわけではないので、買った時の金額がそのまま記載されています。

無形固定資産

無形固定資産は逆に、形のないもので長期間使用するものを指します。代表的なものでいうと権利やパソコンの有料ソフトウェアなどです。

また、無形固定資産の種類として、忘れてはならないものがあります。それ「のれん代」です。有名なラーメン屋さんの「のれん分け」なんかはこのイメージに近いです。つまり、「のれん」は店の信頼度や格式を示すものであり、会計上は収益を稼ぎ出す信用力など目に見えない力を指します。

のれん代」はほかの会社を買収した時に発生します。このときの意味合いとしては買収した会社の営業権みたいな感じです。

投資その他の資産

固定資産の最後の欄に来るのは「投資その他の資産」です。流動資産に計上される有価証券とは違って、長期的に保有する株がここに当てはまります。

長期的に保有する株とは何のことでしょうか。一つはほかの企業への資本参加を目的とする投資です。たとえば子会社の株式は親会社が発行済み株式の50%以上を保有する限りは経営権を握ることができます。一方で、長期の資産運用を目的とする投資でも、株を長期的に保持して、株価が上がってくるのを待ちます。

投資以外には、有形固定資産や無形固定資産に含まれない、そのほかの長期の資産がここに記載されます。

最後に

いかがでしたか?よく聞く固定資産やたなおろしなどの難しい言葉もこの記事を読むことでわかっていただけましたら幸いです。

これからももっと会計について勉強してよい投資家になりましょう!ではまた!